1.たまーには皆様に左翼本をご紹介いたします.
  目を背けたくなるかもしれませんが,実はとても旬な本です.
  釈迦に説法だったらヒラにご容赦.

  それはアントニオ・ネグリ著の『エンパイアー』という本です.
  ハーバード大学から出版され,40万部ほど売れていて,
  ニューヨークタイムズ紙などにマルクス,ヘーゲル以来のビッグな出来事
  と言わしめた本です.

  残念ながら翻訳は遅れに遅れ,来年春に出せるかどうか...
  (訳しているのは友人なので直に聞きました)
   翻訳がでました【追記 2003.01.31】

  NHKのETVにも取り上げられて特集番組が組まれました.
  (私もこのビデオを入手する予定です)

  もちろん日本共産党や社民党には理解不可能な本で
  私の知る限り論評さえ出せません.

2.著者はイタリア人で赤い旅団というテロ組織に関わったという疑いで
  フランスに亡命し,一時イタリアでも獄中に収監されていました.

3.この本の価値は左翼本だからではなく,(もちろんです)
  9.11以降の世界秩序をかなり正確に予言し
  今後の流れも予想しているからです.
         ・・・・    ・・・・
  今の政界体制は帝国支配であり,帝国主義ではないという
  ところがマルクス主義に見られない新しい視点があります.

  帝国主義は独占資本と結びついて領土拡大を行いましたが
  今日のアメリカの一国支配はそれとは異なります.

  また,新しい秩序の変化で既成の秩序が機能しないことを
  マルチチュードの出現と言う言葉で説明しています.

  アメリカのイラク攻撃なども予言しています.

  しかし一番の大きな特色はグローバリズムのその後を
  暗示していることでしょう.

3.今,原書を暇を見て格闘していますが,いわゆるポストモダニストの
  新しい遊具が誕生した見方もあるものの,
  私は久々にマトモな本が出たなぁと思います.

  あえてグローバルネットの皆様にこういう本をご紹介するのも
  私の使命と思い,皆様に批判を覚悟でご紹介いたしました.

  太っ腹のハーバード大学はWEB上でも公開してます.
  
http://www.hup.harvard.edu/catalog/HAREMI.html

4.たまには新旧の本を紹介しあうのもまた一興.

  先日高橋さんに地政学の本を紹介いただき感動いたしましたので
  私からも生意気を承知でご紹介いたしました.





参考:ドキュンなサヨクになったわけ

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